2023/05/02
1 経済的成功は5割が運
田中元教授(京都大学)らは、ユーモアと皮肉のセンスを重視した、珍しい研究や発明、発見、業績などに贈られる賞であるイグノーベル賞を、2022年に「運が良かった企業が成功する理由について」という研究テーマで受賞しました。この研究は、ビジネスでの成功が運であることを指摘し、その根拠を統計的に検証したものです。
研究者たちは、日本の上場企業を対象に、運の要因とされる3つの指標を抽出しました。それは、業績変動の大きさ、株価の乱高下の程度、そして、企業業績と同じ業種での相対的な地位です。そして、これらの指標を用いて、企業の業績に対する運の影響を分析しました。
その結果、研究者たちは、運が業績に与える影響が大きいことを示しました。具体的には、運によって企業業績が5割程度変わることがあることが明らかになりました。また、運が良かった企業が、運が悪かった企業に比べて、株価の乱高下が少なく、長期的な成長が期待できることが分かりました。
この研究結果は、ビジネス界において、成功するためには運も重要な要素であることを示しています。そして、運が重要な要素であることを認識し、そのリスクを最小限に抑えるための戦略を考えることが必要であるという指摘をしています。
2 運のほかにできることは、自分を知ること
経済的成功が50%が運であるとされた場合、残りの50%は人の努力や能力によってもたらされることになります。自分の能力や才能を理解し、それを最大限に活かすことは、成功の可能性を高め、幸福感や自己実現感を高めることができます。
人生は常に予測可能なものではありません。自分ができることを最大限に努めることで、運が向いた時に準備ができているということも重要です。自分を知り、自分がやりたいことや興味があることを追求し、行動することで、自己実現感や幸福感を高めることができます。